ギャンブル依存回復ロードマップ

ギャンブル依存から回復するためのロードマップ

1. 自分の状態を正しく認識する

ギャンブル依存は、専門家からは「病的ギャンブリング」「ギャンブル障害」などと呼ばれ、衝動制御が難しくなる状態です。まずは、自分がギャンブルに対してどのような心理状態にあるか、以下の点をチェックしてみてください。

  • ギャンブルをやめようとしてもやめられない
  • 金銭的・時間的に大きな損失が出ているのに、取り返そうとさらにギャンブルを続けてしまう
  • ギャンブルのことを考えて眠れなくなる・仕事や学業、日常生活に支障をきたす
  • 家族や友人との関係が悪化しているにもかかわらず、ギャンブルを続けてしまう

上記に心当たりがある場合は、専門家に相談するか、家族や友人に状況を話すなどの行動を検討しましょう。

2. 目標を明確に設定する

ギャンブル依存から回復するうえで、「いつまでに」「どの程度」やめたいのか、具体的なゴールを設定することが大切です。目標を小さく分割して設定すると、達成の実感が得やすく、モチベーションを維持しやすくなります。

  • 例: 「まずは1週間ギャンブルをしない」「給料日の前後は絶対にギャンブルをしない」など、短期的な目標を立てる。
  • ある程度続けられたら、「次は1か月やめてみる」「これから半年間はギャンブルの場に近寄らない」など、少しずつ長期目標に拡大する。

3. リスク要因を把握し、環境を整える

ギャンブル依存を悪化させる要因やきっかけ(トリガー)を特定し、できるだけ避けられるように環境を整備しましょう。

  • 金銭管理の見直し
    • クレジットカードや電子マネーなど、簡単に使える支払い手段を制限する
    • 毎月の収支や使途を家族や信頼できる人と共有する仕組みを作る
  • ギャンブルに結びつく状況の回避
    • ギャンブル場(パチンコ店、カジノ、競馬場など)に近づかない
    • ギャンブル関連のテレビ番組やウェブサイトを見ないようにするフィルタリング
  • ストレス対策
    • ストレスや感情の起伏が激しいときに衝動的にギャンブルに走ることが多い
    • ストレスを感じたときの代替行動(運動、読書、趣味など)を用意する

4. 専門的なサポートを活用する

ギャンブル依存は、専門家の助けを借りることでスムーズに回復への道筋を築きやすくなります。

  • 医療機関(精神科・心療内科)
    • 薬物療法やカウンセリングを受けられる可能性がある
    • ほかの依存症や心の病気(うつ病、不安障害など)の合併がないかも含めて診断してもらう
  • カウンセリング・心理療法
    • 個人カウンセリングやグループカウンセリングを利用する
    • 行動療法や認知行動療法(CBT)などのアプローチで、依存を引き起こす思考パターンや行動習慣を見直す
  • 自助グループ(GA:ギャンブラーズ・アノニマスなど)
    • 同じ問題を抱えた人たちと体験を共有し、お互いに支え合う
    • 定期的なミーティングへの参加によって、継続的なサポートを得られる

5. 家族や友人とのコミュニケーションを強化する

ギャンブル依存は本人だけではなく、家族や周囲の人々にも大きな影響を及ぼします。家族やパートナーも心理的負担を抱えたり、経済的な問題を一緒に背負うことがあります。以下の点を意識してコミュニケーションをとりましょう。

  • 依存症の理解を深めてもらう
    • ギャンブル依存は「意思が弱いだけ」ではなく、脳の報酬系が深く関係している病気であることを理解してもらう
  • 経済的な状況の共有
    • 借金や貯金の状況をオープンにし、対策を立てる
  • 家族もサポートを受ける
    • 家族が個別にカウンセリングや自助グループに参加することで、適切な対応や境界線の引き方を学ぶ

6. 長期的な展望とリラプス(再発)予防

ギャンブル依存からの回復は、短期間で終わるものではなく、長期的なプロセスとなります。再発(リラプス)を避けるためにも、以下の点に注意しましょう。

  • 回復後の楽しみや目的を見つける
    • 代わりとなる趣味やスポーツ、学習など、没頭できるものを探す
    • 達成感や充実感を得られる活動を通じて、ギャンブルへの欲求を軽減する
  • 再発した場合の対処計画を作る
    • 万一、再度ギャンブルをしてしまったときにはどうするか、あらかじめ専門家や家族と話し合っておく
    • 過度に自分を責めるのではなく、何がきっかけだったかを冷静に振り返り、次に活かす

7. 周囲とのつながりを保ち続ける

孤立が進むと、ストレスや寂しさから再びギャンブルに走りやすくなります。意識して周囲とのつながりを保つことが大切です。

  • 定期的な連絡や報告
    • 家族や友人、支援者に定期的に経過を伝える
  • 自助グループやコミュニティとの継続的な関わり
    • ミーティングへの参加を継続して、情報や経験を共有し合う

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