マインドを鍛える
マインドを鍛える
- 基本的マインド
- 行動に関するマインド
- ギャンブル対するマインド
- 環境に関するマインド
- 金銭に関するマインド
基本的マインド
ギャンブルを辞めることは目的ではなく通過点だということ
ギャンブルをやめることは最優先事項です。借金返済のために家族に借り換えを依頼したり、自己破産を検討したりする対策は、まずギャンブルそのものの問題を解決した上で取り組むべきです。ギャンブルの問題が解決していない状態で新たな借入をすれば、結局、再び借金を重ねる結果に陥りがちです。また、「自分に合ったやめ方」や「自分に合ったグループへの参加」といった尺度は、単に居心地の良さを優先してしまい、ギャンブルを本当に断ち切れるかどうかの判断基準から逸脱する恐れがあります。自分にとって、いかにギャンブルを断ち切るかを常に考えるマインドが必要です。
最優先事項はギャンブルをやめるというマインド
ギャンブルを辞める過程で、自分なりにやめ方を模索し、ギャンブルをやめようとしていることでしょう。しかし、対策の中で無意識のうちに「ギャンブルを辞める」ということが最優先事項になっていない場合があります。例えば、「このGAが自分に合っているかどうか」という尺度が、実際に「ギャンブルがやめられるか否か」の尺度と一致していないことがあります。簡単にいうと単純に居心地がいい場所が自分にとってギャンブルがやめられる環境と考えている場合があります。GAに参加しながらもスリップしてしまった場合は、一度立ち止まって状況を見直すのも良いでしょう。またGAに限らず自分にとって楽な環境はギャンブルがやめらるという尺度で考えられていない場合があります。一度自分に合っているか?という尺度ではなく、自分にとってよりギャンブルをやめられるか?という尺度で考えているか検討してみるのがいいでしょう。
諦めないというマインド
ギャンブル依存から抜け出すのは決して容易ではありません。依存症の場合、多少のスリップは避けられないものです。大切なのは、スリップするたびにその原因を分析し、よりギャンブルから遠ざかるための対策を講じることです。しかし、スリップを理由に挫折してしまえば、永遠にギャンブルに苦しむ人生が待ってしまいます。自分の人生を取り戻すため、何度失敗しても諦めずにギャンブルを断ち切るという強い意志が必要です。
言い訳しているということに気づく
ギャンブル依存の場合、やめようと思っていても、つい都合の良い言い訳を見つけてしまい、その言い訳を理由に再びギャンブルに手を出すことがあります。自分が言い訳をしていると気づくことで、そのスリップを防ぐことが可能です。言い訳をしないためには、常にフェアな姿勢を保ち、ずるい手段に頼らないというスタンスを心がけるとよいでしょう。自分なりの明確な判断基準を設け、言い訳に気づく習慣を身につけることで、ギャンブルから遠ざかることができます。
自分はもう大丈夫だと思わない
ある程度の期間、ギャンブルを断つことができると、「自分はもう大丈夫」と思いがちです。しかし、たとえ数年間ギャンブルを控えていても、再び手を出すと以前よりも症状が悪化するケースもあります。ギャンブル依存は回復可能ですが、決して容易なものではありません。今は大丈夫に見えても、単に「たまたま」ギャンブルを断っているだけかもしれません。また、無意識のうちに、ギャンブルで苦しむ自分から目を背けたいという感情が働いている場合もあります。回復の第一歩は、自分自身がギャンブル依存症であると正しく認識することにあります。「自分はもう大丈夫」と思わず、常にギャンブルを断つ覚悟を持つことが大切です。
本気の考え方
ギャンブルを辞める意志があっても、スリップしてしまうことはあります。しかし、その際に「本気じゃなかった」と自己評価するのは、「本気」の本質を誤解していることになります。もし意志があったにもかかわらずギャンブルを断ち切れなかったとすれば、自分の本気度が十分でなかったと言えるでしょう。不足している本気度は、スリップしたときに自らの欠如を認識することでしか補えません。そして、本気度が向上すれば、これまで実行できなかった対策も取れるようになります。たとえば、パチンコ屋への自己申請プログラムの提出や、家族や友人への率直な相談が可能になるでしょう。このように、本気とは0か100という極端なものではなく、段階的な度合いが存在します。スリップした際には、自分が十分に本気でなかったと認識し、ギャンブル依存症への自覚を深めながら本気度をさらに高めることが重要です。そうすることで、実施できる対策も増え、より一層ギャンブルから遠ざかることができます。また、同じようにスリップしてしまった人に対して、「本気じゃない」「やる気がない」と責めるのではなく、互いに本気度を再考する機会を持つことが大切です。
自己肯定感を上げる
・自己肯定感とは
自己肯定感とは、自分自身に対する肯定的な評価や信頼感のことです。自分の長所も短所も含めた全体としての自分に価値があると感じ、ありのままの自己を受け入れる心の姿勢を指します。
・自己肯定感を高めることでギャンブルを遠ざける
小さな成功や前進を自分自身で認め、褒めることで内面的な自信と価値を再確認し、より強固な自己肯定感を育むことが、依存からの脱却に大いに寄与します。さらに、同じ悩みに苦しむ仲間を積極的に応援することで、仲間の力になるだけでなく、自身の自己肯定感も向上します。人を応援する行為は、自らの意志を強化し、ギャンブルから遠ざかる大きな力となるのです。
行動に関するマインド
同じことを繰り返さない
スリップは誰にでも起こり得るものですが、同じ失敗を繰り返していては、いつまでもギャンブルを断ち切ることはできません。たとえば、禁断の日数をカウントする方法があります。日数カウント自体を否定しているわけではありませんが、スリップ後に何も振り返らず、ただ「カウントをリセット」してまた1から始めるのは問題です。次第にこの方法が面倒になり、カウントが途切れてしまうと、自己肯定感の低下につながり、再度スリップする引き金になりかねません。自分の特性に合った方法で、失敗から学びつつ、ギャンブルを遠ざける対策を模索することが大切です。
キッパリやめる
ギャンブルをやめると決めたら、思い切って断つのが最善の方法です。ギャンブルの機会を徐々に減らしたり、掛け金を少しずつ下げる方法を試みる人もいますが、それは最適な方法とは言えません。タバコをやめる場合と同様に、一気にやめる方が成功率は高いのです。もし一気にやめる覚悟が持てないのであれば、ギャンブルをやめる本気度が十分でないといわざるを得ません。しかし、どうしても徐々に減らしていきたい場合は、具体的な計画を立て、減らすプロセスが失敗に終わったと明確に判断できる基準を設定することが必要です。そして、一度でも失敗したなら、次は断固として一気にやめる方法に切り替えるべきです。
できることからやるでは何も変わらない
職場の業務改善会議などでも、まず「できるところから変えよう」と主張する人がいますが、そのような手軽な改善策では、結局大きな変化を生み出せないことが多いです。ギャンブル対策においても同様で、すぐに実施できる対策は、ギャンブルへのハードルを十分に上げる効果が薄いものがほとんどです。たとえば、Twitterでギャンブルをやめた日数をカウントする方法は、一見良いアイデアに見えるかもしれませんが、実際にはギャンブルへの心理的な障壁にはほとんど影響を与えません。
そこで、ギャンブル障害を家族に打ち明け、金銭管理をお願いするなど、より大きな枠組みで対策を講じることを考えてみましょう。ただし、自分の枠を超えて周囲の人々を巻き込む方法は、実行が難しい場合もあります。スリップを繰り返す状況では、現状の自分にとって手が出しにくい大きな対策の中に、実はギャンブルから本当に遠ざかるための方法が隠されているのです。
ギャンブルに対するマインド
ギャンブルは最終的に勝てない
ギャンブルは短期間では勝つこともありますが、長期的に見ると必ず負けるように設計されています。たとえば、スロットでは機会割により出玉がマイナスになるよう調整され、競馬では約70%の還元率を実現するためにオッズが設定されています。宝くじに至っては還元率が約50%に過ぎず、つまりチケットを購入した時点で実質的にお金を捨てていることになります。
・冷静な状態では勝てるという幻想
パチンコや競馬での負けは、単に感情に流された結果だと考える人がいます。そして、「冷静になれば勝てる」という考えを信じる人もいます。しかし実際、競馬でどんなに冷静に賭けたとしても、還元率以上の予想が常にできるわけではありません。過去の勝利経験が「冷静さが勝利を呼ぶ」という誤った認識を助長しているのです。
さらに、スロットにおいては天井狙いなど、理論上期待値がプラスとなる台が存在する場合もあります。しかし、ギャンブル依存症の私たちにとっては、その期待値だけを追求するのは非常に困難です。なぜなら、期待値がプラスの台を狙う行為自体は、実質的には「投資」であり、純粋なギャンブルとは性質が異なるからです。私たちはギャンブル依存という性質上、理論的に有利な台よりも、慣れ親しんだり感情が揺さぶられるギャンブル性の高い台に手を出してしまいます。そのため、たとえ期待値がプラスであっても、その状況下で冷静にギャンブルを辞めることは非常に困難なのです。
ギャンブルに投資の面はないと認識する
ギャンブルと投資の違いを考える尺度の一つは、長期的な収支がプラスになるかマイナスになるかという点です。つまり、最終的に資金が減少する見込みがあるものがギャンブルであり、長期的に資金が増加する見込みがあるものが投資と言えます。この判断は実際の短期的な結果ではなく、あくまで期待値に基づくものです。ギャンブルは基本的に、負けることを前提として設計されているため、長期的なプラスが期待できる投資の性質は持たないと言えます。
ギャンブルは危険なものだと認識する
ギャンブルは危険なものです。節度を持って楽しめば娯楽として許容されるという意見もありますが、実際にギャンブル依存症で苦しむ人々が存在する事実から、これは疑いようのない現実です。彼らは依存症になりたくてそうなったのではなく、意志の力だけでは克服できない問題に直面しています。また、ギャンブルの危険性はプレーヤー側だけに留まりません。一度その業界に足を踏み入れると、抜け出すのが非常に困難であり、ギャンブルに関わることで多くの人が不幸な状況に陥る可能性が高まります。
環境に対するマインド
自分よりも他人のための方が頑張れる
何かを成し遂げようとするとき、自分自身のためよりも、他者―特に家族やパートナー、子供たち―のために行動することで、より大きな力が湧くことがあります。家族がいる場合、家族のためにギャンブルをやめようとする決意は、自分だけのためにやめようとする場合よりも、強いギャンブルへの抵抗力を持つことができます。
一人で辞めようとしない周りを巻き込む
誰にも相談せず、一人でギャンブル依存から抜け出すのは非常に困難です。ですから、家族、職場の同僚、友人など、信頼できる周囲の人に依存の問題を打ち明け、回復への協力を求めることが重要です。あなたは彼らにとっても大切な存在であり、その支援は大きな力となるはずです。
もちろん、他者に相談することは自分の枠を越えるため難しい行為です。家族関係の悪化、職場での噂、友情の亀裂などのリスクも伴います。しかし、仮に相談によって家族や友情が失われる可能性があったとしても、ギャンブル依存が改善されなければ、遅かれ早かれそれらの関係は失われる運命にあると言えます。
もしどうしても相談が難しい場合は、次に失敗した際に「家族に相談する」という具体的なルールを自分に課すなど、ギャンブル依存から離れるための対策を講じることが非常に重要です。
周りのギャンブラーも被害者、辞めさせようとする
ギャンブルをしていると、同じ趣味を持つ友人や職場の同僚など、自然とギャンブル仲間が集まります。ギャンブルの話題はコミュニケーションの一環としてよく取り上げられます。しかしギャンブルは危険なものであり、あなたの周囲の人々も将来的にギャンブルに人生を壊される可能性があることを理解してください。
もしあなたがギャンブルを辞める決意をしたなら、周囲の仲間にも同じようにやめるよう促すことをお勧めします。たとえ、やめるように声をかけた結果、関係が悪化するリスクがあったとしても、自分はギャンブルを辞めているというスタンスを示すことができギャンブル仲間からギャンブルを誘われる機会やギャンブルの会話が減少し、あなた自身を守ることにつながります。
仮に仲間同士でギャンブルを辞めることができれば、お互いに励まし合いながら依存から脱却する強力な支援ネットワークが構築され、最終的にあなたをギャンブルから遠ざけることになります。
お金に関するマインド
お金を守るというマインド
ギャンブルをやめることは、すなわち自分のお金を守ることにほかなりません。たとえば、四六時中ギャンブルの誘惑に駆られてそわそわしていても、強制的にギャンブルができない状態であれば、お金を無駄にするリスクは防げます。結局のところ、ギャンブルはお金を奪おうとしてくるのです。ならお金を守ればいいのです。
明確な「お金を守る」というビジョンがあれば、取るべき対策が見えてきます。この考え方は、日々の生活において非常に重要な金融リテラシーを向上させることにもつながり、自分自身の経済的安定にも役立ちます。
ギャンブル以外にお金を消費する
ギャンブルはあなたからお金を奪います。前段で「お金を守る」という観点から説明しましたが、ギャンブルから完全にお金を守る方法があります。それは、ギャンブル以外にお金を使うことです。決して無駄遣いを奨励するわけではありません。たとえば、自分の経験やスキルの向上、人間力の底上げにつながる活動に投資することで、そのお金は永久にギャンブルに奪われることがなく、長期的にはあなた自身の力となり、ときにはあなたの収入を底上げする源泉となります。