1-1. 自分を正当化する「言い訳」の数々
ギャンブルに依存しがちな人は、以下のような言い訳をしやすい傾向があります。
- 「ストレスが溜まっているから、少しだけやって気分転換」
- 「これまでずっと我慢してきたご褒美として…」
- 「今度こそ勝てるはずだから投資みたいなもの」
- 「時間があったから、つい立ち寄ってしまった」
こうした言い訳は、一時的に自分の行動を正当化するためのものであり、本当にやめたい気持ちを覆い隠してしまいます。
1-2. 言い訳が重なるほど「抜け出せなくなる」
たとえ最初は些細な言い訳でも、繰り返すうちに当たり前の思考パターンとなってしまいます。結果的に「ギャンブルをすること自体」を当然視してしまい、気づいたときには深みにはまっているという構図です。言い訳を繰り返すほど、ギャンブルをやめにくいメンタリティが築かれていきます。
2. フェアの精神が大切な理由
2-1. 「フェア(公正)」とは何か
ここで言うフェアとは、単に「ズルをしない」というだけでなく、物事において正しく、誠実に向き合う姿勢を指します。自分にも他人にもウソをつかず、何かを実行する際はルールを守って正々堂々取り組む。小さな行動の積み重ねがフェアの精神を育てます。
2-2. フェアの精神が言い訳を断つ
- 行動の動機を透明化
「自分はなぜこれをするのか?」を常に自問する習慣がつくと、ギャンブルをする行為がどこか後ろめたい動機(言い訳)によるものだと気づきやすくなります。 - ルールを守る・ズルをしない習慣
日常の中で小さなズルをするクセがあると、ギャンブルにおいても「今回だけ」「少しだけ」という形で自分に甘くなってしまい、結果的に言い訳を生む要因になります。 - 自分を正直に見つめる
フェアであろうとする姿勢は、嘘や言い訳から距離を置き、より正直に自己を見つめる土台となります。誤った自己正当化もやりにくくなるでしょう。
3. 日常生活でフェアの精神を身につける方法
3-1. 小さな約束・ルールを守る
- 例:出社・通学時間を守る、締め切りを守る、身の回りをきちんと整理するなど。
- 当たり前のことをきちんとこなすことで、自分に対する信頼感も高まります。
3-2. 他人にも誠実に接する
- 嘘をつかない、約束を守る、感謝を言葉にするなど、他人に対してもフェアであることを意識する。
- フェアな言動を続けると、周囲からの信頼が得られ、自分自身の行動にもポジティブなフィードバックがかかります。
3-3. 自分が都合よく捉えすぎていないか問う
- ギャンブルだけでなく、日常のあらゆる場面で「これって自分の都合のいい理屈じゃないか?」と問いかけるクセをつける。
- 自己正当化や言い訳の芽を小さいうちに摘むことができます。
4. ギャンブルへの対抗策としての“フェアマインド”
4-1. 「ズルしない」意識が自己コントロールにつながる
フェアの精神を持つと、「ちょっとくらいいいか」「これくらい大丈夫だろう」というズルい考えにすぐストップをかけられるようになります。これは自己コントロール力を高める効果があり、ギャンブル欲求を抑えやすくする基盤になります。
4-2. 依存症を「ごまかさない」で向き合える
ギャンブル依存には、金銭的な問題だけでなく、心理的・感情的な原因が隠れていることが多いです。フェアマインドを育てると、こうした問題から目を背けず、「何が自分をギャンブルに走らせているのか」を正面から見つめられるようになります。必要であれば専門家に相談しやすくなるでしょう。
4-3. 長期的な視点を持てる
ズルをしない、フェアでいる姿勢を貫くと、その瞬間だけの誘惑に負けず、長い目でメリットを考えられるようになります。今だけ楽しければいいという短期的な視点がギャンブルを誘うのに対し、フェアマインドは「将来の自分にとって本当に大切なことは何か?」を考えるきっかけを与えてくれます。
5. まとめ
- ギャンブラーが依存を断ち切れない理由のひとつに、「言い訳」を重ねてしまう心理があります。これを断つには、まず自分を正直に見つめ直すことが欠かせません。
- フェアの精神(公正さ・正々堂々とした態度)を普段の生活から取り入れることで、都合のよい言い訳をしにくいマインドを養うことができます。
- 小さな約束やルールを守る、ズルや嘘をつかない、自分の動機を常に意識する――こうした習慣がギャンブルに打ち勝つ土台になります。
フェアマインドが身についてくると、ギャンブルを正当化する「言い訳」への抵抗力が自然と高まり、やめたい気持ちを裏切る行動をしにくくなるでしょう。ギャンブル依存にお悩みの場合は、専門家の力を借りることも大切ですが、まずは日常生活のささいな場面でフェアな行動を心がけることからスタートしてみてはいかがでしょうか。